夏風邪は治りにくい、熱が出やすいなんて言いますよね。
実はそれ、ヘルパンギーナという病気かもしれません。
「初めて聞いた!」という人も多いかもしれませんが、子供がかかりやすいウイルス性の夏風邪なんです。
高熱とのどの痛みにより食事が不十分になったり脱水症状を引き起こしやすいという特徴があります。
夏だからこそ注意したいヘルパンギーナについて症状や特徴、治療・予防のポイントをご紹介します!
ヘルパンギーナって何?
ヘルパンギーナは、子どもや乳幼児がかかりやすいウイルス性感染症で夏風邪の代表的な疾患の一つです。
毎年6月~8月に流行します。
主な症状はとしては以下のものになります
- ①高熱(38~40℃近い)
- ②口腔内の複数の口内炎・水泡
- ③咽頭炎
この時期に、咳や鼻水を伴わない、突然の高熱の場合はヘルパンギーナを疑います。
熱を出して苦しそうにしている、機嫌が悪くなっている場合は注意しましょう。
②のように、のどが痛くて口内炎ができるので、ご飯が食べられなくなったりします。
熱はほとんどが4日以内に下がりますが、のどの痛みや口内炎が落ち着くにはもう少し時間がかかります。
ヘルパンギーナはほとんどが軽症にすむので、本人の状態さえ落ち着けば、登園・登校禁止の疾患ではありません。
だだし、ウイルス性疾患で感染するとこどもの便から1か月以上排出されるので、集団で流行りやすい疾患です。
ヘルパンギーナの症状と特徴
代表的な症状
1) 38℃以上の高熱
赤ちゃんが突然熱を出すことは珍しくありません。
しかし6月~8月、夏の時期に高熱が出る場合には注意が必要です。
2) 口内の口内炎・水泡
水泡は多数発生することが多いです。
直径2~4ミリの大きさで、目視で十分確認できます。
3) のど、口蓋垂の炎症症状
口蓋垂とは口の奥にあるの垂れている部位のことを言います。
俗称としてのどちんこなどと言われているところです。
ヘルパンギーナになるとこの部位に炎症を起こします。
4) 発熱による倦怠感と関節の痛み
咳や鼻水を伴わずに、いきなり高熱がでて、小児科を受診する場合、この疾患を疑います。
ことばがしゃべれない赤ちゃんは、急に機嫌が悪くなったり、のどや口の中が痛くて、ミルクや母乳を飲まなくなったりします。
その場合、口の中を見てみると、すぐにわかります。
ヘルパンギーナの治療法
ヘルパンギーナはウイルス性の感染症です。
原因は、コクサッキーウイルス、エンテロウイルスです。
現在では、これらのウイルスに対する薬はありません。
症状を緩和させる対処療法が中心です。
できることとすれば、高熱に対して解熱剤で一時的に熱を下げることくらいです。
注意点①
暑い時期と発熱で汗をかくのに、口内が痛くて水分をとりにくくなります。
そのためヘルパンギーナで一番怖いのが、脱水症状です。
赤ちゃんは痛がるかもしれませんが、こまめな水分補給を心掛けましょう。
注意点②
また、とにかく食事がつらく、あまり食べてくれないため栄養状態も心配です。
アイスクリームはのどが冷えて気持ちよいのと同時にカロリーもとれるので、この時ばかりはお勧めです。
月齢にもよりますが、牛乳や卵のアレルギーがなければ試してみるのもよいでしょう。
注意点③
ヘルパンギーナにかかっても、ほとんどの場合は、ほぼ4日以内に発熱はおさまります。
しかしまれに無熱性髄膜炎や急性心筋炎などを合併することがあります。
激しい頭痛や、1時間に4~5回嘔吐する場合、無熱性髄膜炎を疑います。
顔色が悪くなったり、元気がなくなったりしたら、急性心筋炎の可能性があります。
どちらもただちに医療機関を受診しましょう。
ヘルパンギーナの予防法
ヘルパンギーナの感染経路は、唾液から感染する飛沫感染です。
感染力が最も強いのは発熱時で、解熱して2日ほど過ぎると感染力は少なくなります。
しかしその間も1か月ほど便からウイルスが排出されています。
この間も弱くなったとはいえ、感染力がありますので赤ちゃんのお世話では注意が必要です。
一般的な予防方法は、ヘルパンギーナに感染している子供との接触をさけることです。
外から帰ってきたら、うがいや手洗いをしっかり行い、手指を清潔に保つことが大事です。
トイレの後も十分な手洗いをするように指導してあげてくださいね。
ベビハピ!的まとめ
ヘルパンギーナは夏の時期にかかる風邪です。
症状としては高熱とのどの痛みが主なので、それほど大変ではないかも…と思ってしまうこともあります。
ですが、赤ちゃんや幼い子供からすると喉が痛いと食事や水分補給が大変になるので注意が必要です。
ご紹介した注意点などを参考にしっかりと対処してあげてくださいね。
手洗い励行による予防も重要なポイントです!