夏風邪の代表格、ヘルパンギーナ。
高熱と口内の炎症という特徴がありますが、他にはどのような症状がでるのでしょうか?
ヘルパンギーナの潜伏期間から治療・対処法までをご紹介します。
夏風邪の代表格ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは毎年梅雨時期になると流行りはじめる夏風邪の代表格です。
エンテロウイルスという高温多湿を好むウイルスが原因で起こるウイルス感染症です。
このヘルパンギーナを発症すると以下の様な症状が出ます。
- 突然の高熱
- 口内炎やのどの炎症
- 飲食の困難
- 機嫌が悪くなる
どれくらいの高熱がでる?
突然の高熱については38℃~40℃の熱がでます。
赤ちゃんが熱を出すことそのものはよくあることではあります。
ただ、6月~8月の夏の時期にそのような高熱が出る場合はヘルパンギーナを疑います。
また、他の症状が合わせて出ている場合は夏風邪のヘルパンギーナであることが多いようです。
口内炎にも注目
口の中の複数の口内炎や水疱がでるのもヘルパンギーナの特徴です。
アレルギーや体調によって口内炎ができることもあります。
ただ、発熱している上に水疱などがある場合はヘルパンギーナを疑っても良いかもしれませんね。
口蓋垂が腫れるのも特徴
のどに炎症が起きるのも夏風邪であるヘルパンギーナでは特徴的。
口蓋垂(のどちんこと呼ばれる部分)に水疱ができることが多いようです。
大きさは2~4mmなので目視で確認することができます。
この位置に炎症が起きている、水疱があるという場合はヘルパンギーナの可能性大と考えられます。
食事が難しくなります
口内や口蓋垂に炎症が起きてしまうことで食事困難になります。
それまで良く食べていたのに、急に食が細くなった場合は注意しましょう。
なかなか飲み込めない、痛そうにしている、毎回嗚咽してしまう…そういう場合は炎症が起きていないかチェックします。
口内に炎症が見られ、熱がある場合にはヘルパンギーナの可能性が大きいです。
体調不良から不機嫌に
赤ちゃんや子供はちょっとしたことで機嫌が悪くなるものです。
ただのぐずりであれば、それは問題はありません。
しかし発熱があり、口内炎があり、水疱ができている…その上で機嫌が悪い場合は注意が必要。
言葉がまだ上手く話せない赤ちゃんたちは、うなったりすることでしか不調を訴えることができません。
我が子の様子をしっかりと確認し、ヘルパンギーナかどうかの見極めを行いましょう。
ヘルパンギーナの感染経路
感染経路は、接触感染(便)と飛沫感染(せき・くしゃみ)です。
感染力が強い期間は発熱時となっていますから注意が必要です。
熱が下がっても2~4週間便からウイルスが排出され続けます。
この間も強くはありませんが、感染力そのものは失われていません。
赤ちゃんのお世話をする前後、手洗いを徹底することが必要です。
ヘルパンギーナと診断されたら、先ずマスクをして周囲に飛沫しないよう心掛けることが大切。
手洗いをこまめにして、周囲に広がらないように、気をつけましょう。
予防には、手洗い・うがいがとても重要になってきます。
ヘルパンギーナの潜伏期間
ウイルスが体内に入って2~4日で発症します。
せき・くしゃみなどで比較的簡単に感染してしまうのがヘルパンギーナ。
夏の時期に人混みに赤ちゃんを連れて行ったり、保育園や児童館で遊ばせたり…そうした後に発症することが多いようです。
ちなみに潜伏期間中も感染力があります。
夏場は衛生面はもちろん、ヘルパンギーナを予防するためにも手洗い・うがいを徹底しましょう。
ヘルパンギーナ6つの治療・対処法
エンテロウイルスに対する特効薬は残念ながらありません。
ですから、治療は対処療法が中心で、安静にして自然によくなるのを待ちます。
予防のためのワクチンや抗ウイルス剤もありません。
お薬の使用も考える
医者を受信すると、解熱のためにアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬を処方されることが多いです。
高熱の場合、解熱剤(カロナール、坐薬など)を使用することもあります。
発熱から自力で治癒することは、免疫力を高め、回復力をつける良い機会となります。
ですのでお薬を安易に使用することはお勧めできません。
しかし、高熱でぐったりしているならば解熱剤を使用しましょう。
お医者さんから処方されたものであれば問題はありません。
脱水症状に気をつける
夏風邪であるヘルパンギーナは脱水に気をつけることも大切です。
対処療法として水分補給をしっかりと行うようにしましょう。
脱水のサインとしては尿の回数や濃さがポイントとなります。
少なくとも1日に3~5回以上はオシッコをする、変に濃い色をしていないことを確認してください。
保冷剤を上手く使ってみよう
脇の下や足の付根は大きな血管が通る部分です。
そこを保冷剤で冷やすと、体の熱を下げる効果があります。
お風呂は入ってもいいの?
熱が落ち着いているようであれば、汗を流す程度のシャワーやお風呂は大丈夫です。
夏の風邪は汗をそのままにしておくと、菌が増殖して治りにくくなることがあります。
逆にお風呂やシャワーで流しておくことは必要となるでしょう。
そのかわり長湯はNGとなりますので注意してください。
食事について
ヘルパンギーナになると口内炎や水疱が気になります。
基本的には離乳食は口の中を刺激しないようなものが良いでしょう。
たとえば、主食はうどんやそうめん、おかゆが良いです。
またのどごしの良い乳児用のプリン、ヨーグルト、ゼリー、アイスクリームも試してみましょう。
また、脱水を予防するためにも、水分の多いものを多くとるとよいです。
スープ類も、具材に気をつけて刺激が少なく柔らかいものを選んであげてください。
うがいをしよう
口内炎の治療には、濃いめの塩水でうがいすると良いと言われています。
目安としては湯のみ1/3に小指の先くらいのお塩です。
1歳以上ならはちみつを直接塗る方法もあります。
はちみつには消炎、殺菌効果があります。
ただし、はちみつにはボツリヌス菌がいるので1歳未満の赤ちゃんには使用できません。
月齢・年齢に合わせて試してみましょう。