結核を予防するワクチンであるBCG接種は、赤ちゃんの生後5か月から8か月頃に受けることが奨励されています。
このBCG接種後にちょっと気になるキーワードに「コッホ現象」というものがあります。
接種部位が短期間で腫れ上がったり膿んだりしてしまう現象です。
コッホ現象とはどんなものなのか、見分け方や対応の仕方、注意点をご紹介します。
コッホ現象とは?
通常BCGを初めて接種した10日後くらいに接種部分が赤くなります。
その後、1~2か月経つと注射した部分が炎症を起こしますが、3か月頃には落ち着いてきます。
ですが、コッホ現象の場合は3日程度で接種部分が赤くなります。
つまり、通常のBCGの経過よりも早く、赤く腫れ上がるケースをコッホ現象と言うわけですね。
BCGはウシ型結核菌の毒素を弱体化して作った生菌ワクチンを使用しています。
健康な赤ちゃんであれば、上述の通り、数ヶ月かけて反応が出てきます。
しかし早くに反応がでる赤ちゃんは、すでに結核にかかっている可能性が高いといえます。
つまり、コッホ現象が起こった場合は、赤ちゃんの体内にすでに結核菌が存在していた…ということになります。
コッホ現象の見分け方、赤くなる時期が早いか遅いか
コッホ現象かそうでないかを見極めるにはどうしたらいいでしょうか?
初めて赤ちゃんに接種をするパパママだと、見分けるのが難しいのでは…と不安ですよね。
ですが、コッホ現象は比較的わかりやすい反応が接種部分に出ます。
コッホ現象の判断基準としては、接種後の腫れ方・反応の違いです。
通常は接種後10日頃から赤くなりだすのに対し、コッホ現象は接種後3日位までに激しい反応が発現します。
また赤くなるだけでなく、早い段階から腫れたり化膿したりするという症状も見られます。
見極めのチェックポイント
接種後、2~3日程度で赤く腫れ上がる
10日前後で炎症部分に白い膿のようなものができる
接種部位に何らかの強い反応がでている
BCG接種後は、赤い部分が現れるまでどのくらいの日数がかかったか、患部の腫れ具合はいつ頃現れたのかなど細かく観察しておきましょう。
偽コッホ現象というものがある
実は偽コッホ現象というものがあります。
当然、「偽」ですから、本来のコッホ現象とは別物となります。
赤ちゃんの肌が弱い
注射の刺激に過敏反応
注射後にばい菌が入り込んだ
接種部位に強い刺激を与えた(掻きむしるなど)
このような場合、通常よりも早いタイミングで腫れや膿が出ることがあるようです。
BCG接種時に「刺激を与えない」「清潔にする」という説明を医師から受けると思います。
偽コッホ現象が発現しないよう、しっかりと覚えておきましょう。
もしコッホ現象だったら
3日以内に激しい反応が現れて、コッホ現象かもしれない!と心配にな方もいるかもしれません。
「うちの子結核?どうしよう!もしかして自分も?家族も結核なの?どうしよう!」と不安になりますよね。
でも、まずは落ち着いて次の行動に移りましょう。
コッホ現象が疑われる症状が現れたと言っても、すべての赤ちゃんが結核にかかっていると言う訳ではありません。
先述の「偽コッホ現象」の可能性が大いにあります。
刺激を与えていないか、清潔にしていたか、まずはそこをチェックしてみましょう。
また、BCG接種部位に何らかの変化・異常があった場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。
もしもその反応がコッホ現象で結核菌を保有しているのであれば、治療する必要があります。
ちなみに、焦って救急車を呼ぶ必要はありません。
緊急性を要するものではありませんので、普通に病院に連れて行ってあげましょう。
事前に病院に電話を入れ、予約をするとともに、今できることを聞いておくと良いでしょう。
コッホ現象の腫れはどうなるの?
コッホ現象の症状が出ていたとしても、接種後2週間から4週間には腫れも落ち着いてきます。
2か月後くらいにはほぼ綺麗に治ってしまうので、患部を清潔にしている以外の特別な手当はありません。
もしも化膿した患部の経過が4週間を超えていたりする場合などは、医療機関を受診するようにしてください。
コッホ現象が出た場合は周囲の大人も注意
コッホ現象が出て、結核菌を持っていたと診断された場合は注意しましょう。
その赤ちゃんの周りには、結核にかかっている人が存在する可能性を示しています。
保護者や家族の健康状態も含めて予防接種を受けた市町村、または病院に連絡をするようにしましょう。
ベビハピ!的まとめ
コッホ現象かな?と思ったらまずは医師に相談、診察を受けるようにしましょう。
偽コッホの場合もあるので、焦らず対応していってくださいね。
また、BCG後は接種部を刺激したりせず、清潔に保つように心がけましょう!