赤ちゃんの手に触れるとぎゅっと手を握ってくれます。
小さな体からは想像できないほど力強く、とても可愛らしい反応ですよね。
これは赤ちゃんの生まれ持った反射の一つで「把握反射」といいます。
把握反射をはじめ、月齢の低い赤ちゃんに見られる反射は「原始反射」と呼ばれます。
原始反射は赤ちゃんらしい、とてもかわいい反応ですがいつまで見られるのでしょうか。
原始反射とは?
原始反射にはいくつかありますが、代表的なものには以下の様なものがあります。
- 「把握反射」
- 「モロー反射」
- 「吸啜反射」
- 「自立歩行反射」
どれも赤ちゃんが生きるために必要な反応です。
例えば、吸啜反射とは赤ちゃんの口元に指や乳首を触れさせると吸いつく反応。
この反射があるため生まれたばかりの赤ちゃんは誰にも教えられることなく、母乳やミルクを飲むことができます。
また、自立歩行反射では新生児でも両脇を支えて体を立てた状態で足を床につけると足を交互に出して歩こうとする仕草を見ることができ、生まれながらにして人間は歩く生き物だとプログラムされていることが分かります。
原始反射は、自分ではまだ何もできない赤ちゃんが刺激に対して反応するよう、生まれながらにして持っている生きるための力なのです。
関連:赤ちゃんが持つ「究極の生きるチカラ」に思わず涙!3種類の原始反射とその特徴について
いつまで見られるの?
原始反射は新生児期から見られることが多く、遅くても生後2、3カ月頃までには見られるようになります。
反射によっては、胎児の頃から見られるものもあるようです。
赤ちゃんの脳や中枢神経の発達により少しずつ見られなくなり、4~6カ月頃には消失されていきます。
月齢の低い小さな赤ちゃん特有の反射なので、見られる期間は短く、消失すると少し寂しいような気もしますね。
原始反射で分かることって?
原始反射はかわいいだけではありません。
原始反射の様子から、中枢神経の発達や異常の診断をはかる目安にもなります。
あるべき反射が見られない、反射にあきらかな左右差が見られるなどの場合は脳性麻痺など脳の障害がある恐れも考えられます。
また、いつまでも原始反射が消失しないと、適切な脳の発達が行われず発達障害に影響があると言われています。
気になる様子がある時は医師に相談しましょう。
おわりに
原始反射は小さな赤ちゃんだからこそ見られる特有の反射で、一つ一つの反応が大変かわいらしく、消失してしまうのは寂しくも感じます。
短い期間だからこそ見逃さないよう、そしてかわいい赤ちゃんの正常な発達のためにもよく観察できるといいでしょう。