生後5~6ヶ月くらいから始まる離乳食。
母乳・ミルクだけでなく、ちゃんと「ご飯」を食べるようになり、成長を感じますね。
離乳食を開始して心配になってくるのが「アレルギー」ではないでしょうか。

体に発疹が出てきた
口の周りが赤い…
吐き気や腹痛を訴えている
急に下痢をするようになった
などなど、離乳食のアレルギーには色々なものがあります。
赤ちゃんの食物アレルギーの症状の種類、病院に行く目安や注意点などをご紹介します!
食物アレルギーは誰にでも可能性がある?
食物アレルギーは全ての人に可能性があります。
とはいえ、実際に症状が出るのは
- 赤ちゃんの場合10人に1人
- 未就学児で20人に1人
くらいと言われています。
全ての人に可能性はあるものの、誰もがアレルギー症状が出る、というわけではないんですね。
子供時代のアレルギー、大人になってからも出る?
子供の頃にアレルギーがあった場合でも、大人になってから出なくなることもあります。
実際に筆者は、4歳くらいのころに「生卵」でアレルギー反応がでました。
病院でも「なるべく控えましょう」と言われたのだそうです。
しかし今では卵かけごはんを毎日でもOKなくらい丈夫になりました。
大切なのは適切な対応
子供の頃に食物アレルギーが出たからといって、ずっとそれが続くわけでもないのです。
いずれにせよ、症状が出たら「何が原因」だったのかを特定していきましょう。
そして病院に行き「適切な治療・指導」を受けることが大切です。
そのためにも、離乳食のアレルギーで起こりえる症状について理解しておくことが大切です。
離乳食アレルギーの症状1:最も多いのが皮膚症状
離乳食の食物アレルギーの症状で最も多いのが皮膚症状です。
食事をしてすぐに症状が出る「即時型アレルギー」の中でも7~9割が皮膚症状となります。
皮膚にどんな症状が出る?
症状としては皮膚に強い赤みが出たりブツブツが出来たりします。
赤くなるだけ、痒みがある、痛みを感じる、広範囲に広がっている…など軽いものから重篤な症状まで様々です。
- かゆみがある
- 皮膚が赤くなる
- 湿疹ができる
- 蕁麻疹がでる
- 強く赤く腫れる(血管性浮腫)
離乳食後にこのような反応が出ている場合は、食物アレルギーの可能性が高いです。
症状が出やすい部位はどこ?
アレルギー症状が出やすい部位としては以下になります。
- 唇や口の周辺
- まぶたなど目の周り
- のど仏やうなじなど首周辺
- 胸元、デコルテのあたり
- 肘や膝といった関節の裏側
- 太ももの内側や後ろ側
- 手の甲や手のひら
- 足の甲や足の裏
汗疹ができて痒くなりやすい、そういった部位にアレルギー反応も出やすいものです。
離乳食後に赤ちゃんが妙にぐずっていたり、痒がったりしている場合は、ぜひご紹介した部位を確認してみてくださいね。
アレルギーの皮膚症状で病院に行く目安は?
場合、口の周りや頬が赤くなるといった症状がよく見られます。
食べ始めてすぐに症状が出る場合もあれば、数時間後や数日後に出る場合もあります。
赤みが消えず、赤くなっているところを掻き痒そうにしている等の症状があれば、病院で診察を受けるか電話をして相談をしてみましょう。
離乳食アレルギーの症状2:粘膜の腫れは危険?
粘膜症状も離乳食のアレルギー反応としては少なくない方です。
即時型アレルギーのおよそ5割が粘膜に症状がでるようです。
粘膜症状、出やすい部位はどこ?
出やすい部位としては以下になります。
- まぶた裏など目の内側
- 頬など口の中
- 唇の内側
- 舌やのどちんこ
顔の粘膜ないしその付近にできることが多いようです。
粘膜のアレルギー症状は発見しにくい?
粘膜は体の内側の部分となります。
そのため、アレルギー症状が出ていても見つけにくいという難点があります。
発見が遅れ対処ができないでいれば、赤ちゃんに大きなリスクとなるでしょう。
離乳食後、赤ちゃんが急に泣き出すなどした場合は粘膜部分に症状がでていないかチェックしてみてください。
病院を受診する際のポイント
粘膜にアレルギー症状が出た場合、「どこに出たのか」をチェックしておきましょう。
それとともに、「かゆみ」「腫れ」なども確認しておいてください。
症状の範囲や重さなどをチェックし、医師にそれを伝えるようにしておきましょう。
離乳食アレルギーの症状3:下痢や嘔吐、血便
離乳食後に下痢や嘔吐をしてしまった…。
実はこれもアレルギーの可能性があります。
即時型アレルギーの10%前後が下痢や嘔吐といった消化器系の症状です。
なぜアレルギーで下痢や嘔吐するのか?
下痢や嘔吐はアレルゲン物質を体外に排出しようとする反応です。
アレルギーの原因となる食物を口にした時、胃腸ではそれをうまく消化することができません。
それどころか、食物に含まれる成分に体が反応して様々な症状がでます。
そうした異変から生命を守るために、下痢や嘔吐が起こるのです。
離乳食を食べた後、すぐに吐いたり下痢してしまう場合はアレルギー症状と考えても良さそうです。
離乳食期の軟便は要チェック
赤ちゃんは比較的便の通りが良いものです。
新生児期は母乳やミルクで育つので便の回数も多めで、水っぽいものですよね。
しかし離乳食が始まるとウンチが固くなり回数が減って、その代わり量が増えます。
特に離乳食開始時期は便秘気味になることも多いでしょう。
つまり、5~6ヶ月のころは便の回数は減って固くなってくる、というわけです。
症状から見る病院に行く目安
そんな離乳食期に急に便が緩くなったとしたら…ちょっと注意が必要かもしれません。
水のような便が1日に5回以上続く場合は食物アレルギーの可能性があります。
また、便に血が混じっていたり、お腹を痛がっている、体調が悪そう、顔色が色白いという場合は気をつけましょう。
このような場合は、速やかに医療機関を受診すべきです。
離乳食アレルギーの症状4:アナフィラキシーショックの症状
アレルギー症状で最も怖いのはアナフィラキシーショックです。
即時型と呼ばれるものの中でも7%がアナフィラキシーとなっています。
アナフィラキシーショックの症状は同時多発
アナフィラキシーの特徴としては様々な症状が同時に起こる点にあります。
- 皮膚…肌が赤くなりブツブツができたり、痒みなどの症状
- 消化器…腹痛が起きたり、急な下痢や嘔吐といった症状
- 粘膜…舌や口の違和感や、喉の腫れ、目がかゆくなる、まぶたが腫れるといった症状
- 呼吸器…止まらないくしゃみ・咳、喘息のような「ゼーゼー」呼吸、息苦しくなるといった症状
- 心肺機能…血圧の低下、心拍数の異常、呼吸が難しくなるといった症状
- その他全身…気温にかかわらず冷や汗が出る、顔面が蒼白になる、痙攣、意識低下、チアノーゼといった症状
アナフィラキシーになると、ご紹介した症状のいくつか、または全てが同時に起こります。
アレルギー反応としてはかなり重篤なものですので、すみやかに医療機関を受診しましょう。
夜間であってもすぐに救急車を呼ぶ、専門家に支持を仰ぐといったことをしてください。
放っておけば最悪の場合、死亡する可能性があります。
アナフィラキシーでやっておきたい対処
離乳食で出した食物が原因のアナフィラキシーの時、親は何をすべきでしょうか?
救急車を呼ぶなど、すぐに医療機関に行ける準備をするのはもちろんです。
また、口にした食物を吐き出させることも大切です。
指を入れたり背中を叩いたりして、子供に嘔吐させましょう。
口をしっかりとすすいだら呼吸がしやすい体位に寝かせます。
目を離さず、救急車等がくるまでお子さんの状態を見守ってください。
アナフィラキシーになりやすい食材がある?
アナフィラキシーの原因となりやすい食物というのもあります。
以下の食材で症状が出る可能性が高いようです。
- えび・カニなどの甲殻類
- そば
- 小麦
- ピーナッツ
もちろん、これらの食材を口にしたからといって全ての人がアレルギーになるとは限りません。
ただ、これらの食物は症状が出た場合に重篤になりやすく、アナフィラキシーショックになりやすいのです。
離乳食で与える際には充分に注意をはらい、お子さんの様子をチェックしてあげてくださいね。
病院に行く際のポイント
何よりも速やかに医療機関を受診する、これが大切です。
アナフィラキシーショックは命に関わる危険性があるアレルギー症状といえます。
体力のない赤ちゃんの場合、ほうっておくことは絶対にいけません。
また、
- 「何を・いつ食べたか」
- 「どんな症状が出ているか」
- 「行った対処」
これらを必ずチェックしておきましょう。
最低限こうしたことがわかっていれば、医師も把握しやすいです。
適切な治療をしやすいので必ずチェックしておきましょう。
離乳食のアレルギーで親がやるべきこと
離乳食でのアレルギーはどの赤ちゃんにも起こりえるものです。
体の小さい赤ちゃんは少量でも症状が強くでることがあります。
もしもの時の予防・対処を心がけておきましょう。
食事日記をつけておきましょう
食事日記をつけることは離乳食アレルギー対策の基本です。
細かくつける必要はありませんが、おおまかに「夕飯:じゃがいもの煮物」といった感じでつけておくと便利です。
また症状が出た時も、食事日記があると医師へ正確に説明できますよね。
市販品でのアレルギーはパッケージを保存する
パック離乳食やお菓子などを食べてアレルギー反応が出ることもあり得ます。
市販のベビー食品は低アレルゲンであることがほとんどですが、それでも症状が出ることもあるんですね。
もし何らかのアレルギー反応(らしきもの)が出た場合は、パッケージを保存しましょう。
裏に原材料が書かれていますので、病院に持参すれば医師が把握しやすくなります。
自己判断をしない
子供のアレルギーは決して自己判断をしてはいけません。
アレルギー症状は種類も様々ですし、その原因も色々とあります。
また、赤ちゃんの体調によっても症状の出方や重篤度に違いが出てきます。
- 「蕁麻疹が治らないけど、範囲も狭いし軽そうだから様子を見よう」
- 「下痢が続いているけど、元気そうだからまぁいいか」
などと、自己判断をしてしまうのはかなり危険です。
そのまま放置したことで、さらに重篤な症状に…アレルギーを繰り返す…ということもないわけではありません。
蕁麻疹が出ても数時間で消える場合もあります。
そんな時でも食べたものを必ず確認し、何が原因だったのかを確認しましょう。
症状の出方や重さなどもチェックし、医師に相談してみてください。
新しい食材を試すときは少量から
離乳食で新しい食材を試す時はたくさん与えてはいけません。
たとえば、チャレンジするときには
- 「朝または昼間」
- 「1日1回」
- 「小さいスプーン1杯」
から始めるようにしましょう。
少量であれば、もしアレルギー反応がでても症状が軽くて済みます。
また、昼間であれば病院も行きやすいので、イザという時に安心できますよね。
そして何より、「どの食材がアレルギーの原因なのか」を特定しやすくなります。
アレルギー反応を目の当たりにするとパニックになりがちですが、落ち着いて対応するように心がけましょう。
ベビハピ的まとめ
離乳食をスタートして心配になるのが食物アレルギーです。
健康な子でもアレルギー反応が出る可能性もあります。
とはいえ、あまり神経質になりすぎるのも良くありません。
症状の種類を知り、適切な対応をして、すみやかに医療機関を受診してくださいね!