赤ちゃんは鏡に映った自分の姿を見て興味を持ったり、笑ったりします。
鏡に映っている自分に手を伸ばしてみたり、喜んでいる姿はかわいいですよね。
しかし、昔からの言い伝えで「赤ちゃんに鏡を見せてはいけない」という話を聞いたことはありませんか?
本当に赤ちゃんに鏡を見せてはいけないのでしょうか。
赤ちゃんが鏡を見て笑う理由と合わせて噂の真相をみていきましょう。
「見せてはいけない」はただの迷信?
赤ちゃんに鏡を見せてはいけないということに医学的根拠はないようです。
ではなぜこのような言い伝えがあるのでしょうか。
諸説ありますが、昔は写真や鏡の様に姿を映すものは魂を吸われるという迷信もありまし、赤ちゃんが興奮し過ぎるのを抑えるため、視点が定まらないうちに鏡を近くで見せると目に影響が出る、などの理由が信じられていたようです。
また、「水に映った自分の姿を見て喜んで、飛び込んでしまうことを防ぐため」という説もあるそうです。
しかし、先に述べたように医学的根拠はなく、おもちゃにも鏡のように姿を映せるものはよく付いていますし赤ちゃんを喜ばせる手段の一つと言えるでしょう。
なぜ鏡を見て笑うの?
①赤ちゃんは赤ちゃんが気になる
生後四カ月頃から鏡に映った自分に反応して笑ったりする赤ちゃんが多いようです。
ですがこの頃はまだ鏡に映っている赤ちゃんが自分という認識はありません。
乳児健診などでも見かけられる光景ですが、赤ちゃんは他の赤ちゃんに関心があります。
じーっと見つめたり、触ろうとしたりします。
ですから鏡に反応するのは、自分と同じ動きをする赤ちゃんが気になるという気持ちなのでしょう。
②赤ちゃんの笑顔に隠れた反射
鏡を見て笑う理由は、赤ちゃんの笑顔の反射によるものがあげられます。
人間の脳は見ているものを真似ることで刺激を受け、発達していきます。
つまり赤ちゃんは笑うようになるまで、周囲の人の笑顔をたくさん見て学習するのです。
赤ちゃんの脳にはミラーニューロンというものがあり、これは見たものを脳内で再現し実際に真似をする働きをします。
赤ちゃんの目を見て笑うと赤ちゃんも笑う、ということがよくありますが、これはミラーニューロンによる反射的なものになります。
鏡を見て興味を持ち笑うと、鏡の中の赤ちゃんが笑う、その笑顔を見て反射的に笑う、ということがあります。
鏡を使ったテストで分かること
マークテスト、またはルージュテストというものがあります。
赤ちゃんが「自分」という存在をとらえるようになるのはいつからなのかを調べることを目的とした実験です。
実験内容はとてもシンプルで、赤ちゃんには気付かれないように鼻や頬に口紅をつけます。
鏡を見た赤ちゃんが、自分で汚れを拭おうとしたり、気にしたりする動きを見せれば「鏡に映っているのは自分」と理解できていることになります。
一歳後半頃から反応を見せ始める子が多いようです。
おわりに
かわいい赤ちゃんの笑顔には秘密がいっぱいです。
鏡を見せてはいけないということはありませんので、赤ちゃんが興味を持つようなら一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。