どんな病気・症状にも必ずなんらかの原因があります。
では、注意欠陥・多動性症候群にはどのような原因があるのでしょうか?
幼いうちは元気があり、色々な物事に興味があります。
ですから、多少の注意欠陥や多動性といった部分は見られるものです。
とはいえ、ADHDとそれ以外の子には違いがあるのも事実です。
どのようにしてそれを見分けるのか…親としては知りたいところでしょう。
ADHDのチェックポイントと原因となる脳や神経の働きについてご紹介します。
また、ADHDのお子さんへの対処法もお伝えしますので参考にしてください。
ADHDの原因は?
ADHDは就学前の子どもに見られる発達障がいです。
発達障がいの中でも最も多く、米国では11人に1人がADHDだと言われています。
また、男女比は男児が女児の10倍発症率が高いそうです。
ADHDにはどのような特徴がある?
幼児期には一番多動性と衝動性が目立ち、集団不適応を起こしやすくなります。
青年期~成人にかけては、衝動性や多動性は目立ちにくくなり、不注意さが残る傾向にあるようです。
年齢や発達段階により、目立ちやすい部分には違いがあります。
いずれにせよ、ADHDの症状は、自分の注意や行動をコントロールすることが難しいという特徴があります。
脳や神経に原因がある
この実行機能は脳の前頭前野が関係していますが、原因は詳しくわかっていません。
ですが、近年の研究では、前頭前野の血流が落ちていることが報告されています。
また、神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの働きがADHDの方は不足していることがわかっています。
情報認識が難しくなる
これらの神経伝達物質の機能低下により、不注意や多動性が現れるのだという考え方が一般的です。
神経伝達物質は外から入ってきた情報を統合、判断する働きを持っています。
この機能が上手く働かないと、正しい情報が認識・伝達されないのです。
ですから、ADHDの子どもは、周りの情報が正しく読み取れずに行動に移してしまうのです。
そして自分が間違っていることに気づきにくいといえます。
ADHDの診断のためのチェックリスト(幼児編)
自分の子はADHDなのか?親としては心配ですよね。
衝動性や多動性、不注意といったものは子供ならば珍しくはありません。
落ち着いて冷静に、まずはADHDのチェックリストを確認してみましょう。
① よく高い所に登って、平然としている。
② 特定の動作(貧乏ゆすりなど)を続けたり、椅子に座っているときにもじもじしたり、すぐに立ち上がってしまう。
③ 猛烈な勢いで走り回る。
④ ケンケンが苦手だ。
⑤ 他の子ども達と比べ、声が大きくて、うるさく感じる。
⑥ 他人に対しての警戒心がなく、誰にでも話しかける。
⑦ 時折、怒りが爆発して抑えられないことがある。
⑧ 危ないことでも平然としている。
⑨ 飽きっぽい。
⑩ 集団活動に参加できずに1~2分で飛び出してしまう。
チェックリストに挙げた行動が多いと感じたらやや心配です。
とはいえ、当てはまる項目が多いからといって必ずしもADHDであるとは言えません。
最終的な判断や今後の方針など、専門の医師や地域の相談センターに相談することをお勧めします。
ADHDはどこに相談すべき?
実際に我が子がADHDであると、どうしたらいいのか…と悩んでしまうことでしょう。
しかし、ADHDには効果的な治療法や適切な対処法があります。
親や周囲の関わる人がそれを理解しておけば、子供は協調性や社交性を改善できるようになります。
また、学習面におけるデメリットなどの2次障がいをも防ぐことができるのです。
専門家による支援と薬での治療
ADHDには「教育的・療育的支援」と「薬」による治療があります。
実際に対策を講じる際には、先ず専門的な医師に相談することをお勧めします。
児童精神科や発達障がいを専門にしている医療機関に足を運んでみましょう。
専門家であれば、ADHDへの知識も豊富ですし、適切な対処法を指導してくれます。
地域にある発達相談センターに相談すれば、先生や専門機関を紹介してくれますので、有効に活用しましょう。
ADHDで覚えておきたい親の対応・対処法
ADHDの子は幼児期から学童期にかけて集団不適応を起こしやすいものです。
彼らは悪気はないのに、いつも怒られてばかり…そのせいで自信を失くしたり、反抗的な行動に出る子が多くいます。
厳しくしすぎてはいけません
人それぞれ個性があり、中には手のつけられないワンパクで元気がある、ただそれだけの子もいるでしょう。
そういう子ならば、ある程度の躾をしてあげることが親の勤めとなります。
しかしADHDの子の場合は違います。
やみくもにしつけを厳しくしたり、むやみに怒ったりしても、ADHDの症状が改善することはありません。
むしろ、本人ですら「どうして自分がそういう行動をとってしまうのか」がわかっていません。
それなのにキツく怒鳴りつけるようなことをすれば、親と子の信頼関係は壊れますし、子供の心も傷つくことでしょう。
適切な対処法とは?
ADHDの子に必要なのは厳しい躾ではなく、適切な対処法です。
彼らは、外部の刺激が正しく理解しにくいという特徴を持っています。
ですから、指示をシンプルに具体的にしてわかりやすく伝えることが基本です。
また、作業に集中してほしいときには、刺激を少なくして(テレビやオモチャが見えない場所にしたり)環境を整えます。
そして、何かできたらしっかりほめることも大切です。
ADHDの子はできないことにコンプレックスを持っていることが少なくありません。
ほめてあげることで、自己肯定感を高めることになり、症状の改善につながることがあります。
興奮しすぎているときには、刺激の少ない場所に移動して落ち着かせましょう。
一度テンションがあがってしまうと、他のことに手がつかなくなってしまいます。
なるべく、心を落ち着かせて一定の精神状態を継続させてあげてることが大切です。
ベビハピ!的まとめ
ADHDの子への対処は、まず症状の特徴を理解するところから始まります。
ご紹介したチェックポイントなどを参考に、観察してみましょう。
そして不安を感じるようならば、必ず医師など専門家に相談することが大切です。
厳しく躾る、むやみに怒ることはかえってADHDの症状を悪くさせる可能性があります。
褒めたり、心を落ち着かせてあげたりと適切な対処を行ってあげてください。
早い段階で正しく対処できれば、症状の改善につながります。