風邪を引いた時に葛根湯を飲んだ経験はありませんか?
葛根湯は風邪によく効く漢方として有名です。
では風邪を引いた妊婦にも使用できるのでしょうか?
妊婦は薬を服用できないイメージが強いですが、漢方はどうでしょうか。
自然に由来するものだと安心して服用していいのでしょうか。
妊婦に漢方は大丈夫?
漢方は天然の物を組み合わせて、自然治癒力を高めるために用いられます。
ほとんどの漢方は妊婦やお腹の赤ちゃんに影響はないと考えられています。
一般的に副作用は少なく即効性はなくとも、緩やかに効いていきます。
ただし中には子宮収縮作用があるなど、妊婦は避けた方がいいものもありますので医師に相談したうえで処方してもらいましょう。
なぜ漢方は緩やかに効く?
漢方は即効性はありませんが、緩やかにジワーっと効いてくる感じがありますよね。
また比較的体に優しく、普通のお薬に比べて副作用が少ないなんて言われています。
なぜそのような特徴があるのかというと、東洋医学の考え方が影響しています。
西洋医学は患部に直接手を加えて、悪い部分を取り去るという考え方です。
一方、東洋医学は悪い部分を治すために、体の自然治癒力を高めることに重点を置いています。
つまり風邪の場合は簡単に説明すると
- 西洋医学:ウィルス・菌を倒す
- 東洋医学:体温や血行を良くして風邪に対抗できる体にする
という考え方になるわけですね。
漢方は抵抗力を上げることに重点がおかれているので効き方こそ緩やかですが、体に無理なく妊婦さんでも使いやすいというわけなんです。
妊婦と関係がある漢方って?
葛根湯の他にも妊婦に縁がある漢方はあります。
つわりがひどい時は小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)という漢方がよく処方されます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)といって元気な赤ちゃんを安産で産むための安胎作用があると言われる漢方もあります。
また、妊娠中の便秘には桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、貧血には十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)などが良いと言われています。
他にもむくみや妊娠高血圧症候群など妊娠中に起こる様々な体の不調に効果がある漢方もあります。
飲まずに元気に過ごせているのならば問題ないですが、症状によっては医師との相談の上、利用してみてもいいでしょう。
その際は自己判断で増やしたり、やめたりせずに必ず用法用量を守り指示通りに服用しましょう。
どこでもらうの?
ドラッグストアやインターネットでも漢方薬は手に入りやすい時代です。
しかし妊婦の場合はお腹の赤ちゃんに影響がないか成分の確認や専門的な知識が必要です。
安易に求めようとせず、必要に応じて医師に処方してもらうよう病院で相談しましょう。
妊婦に使えない漢方って?
妊娠初期は重要な器官の形成時期で胎児にとって大事な期間です。
漢方といえども飲まずに済むなら、その方がいいでしょう。
他にはどんな注意が必要でしょうか?
妊娠中には禁忌といわれる漢方があります。
三稜(さんりょう)、アロエ、センナなど禁忌とされる数種類の生薬が入った漢方は妊婦は飲むことができません。
その他にも、大黄(だいおう)、芒硝(ぼうしょう)などは子宮伸縮作用があり流産や早産を招く恐れがあります。
漢方以外では風邪妊婦はどうしたらいい?
風邪を引いたら十分に栄養を取り、体を休めることが一番です。
2、3日でよくなるような軽い風邪の症状なら自宅で様子を見ることができます。
しかし、高熱が続いたり、咳や下痢の症状に悩まされるなど風邪をこじらせてしまったようなら我慢せずにすぐに病院へかかりましょう。
病院で妊婦でも飲める薬を処方してもらうことができます。
おわりに
漢方は古来から使われ、信用できる医療の一つです。
しかし、妊娠とは特別な状態ですので自己判断は厳禁です。
風邪を含み、妊娠中の様々な不調に応じて上手に付き合いましょう。