妊娠中の食事は基本的には生ものはあまりよくありません。
ただ日本人といえば魚の刺し身は「食べたい!」と思うこともありますよね。
実は生魚もあまり妊婦さんには良くないと言われています。
ただ、ひとくくりに魚と言ってもたくさんの種類があるし、「全部だめなの?」と悩みますよね。
妊婦が食べられる・食べられないお魚、そして禁止事項や注意点について紹介します。
妊婦と胎児に必要な6つの栄養素について
妊娠中は食事に気をつけたほうが良い、というのはご存知のことでしょう。
栄養バランスは母体の健康だけでなく、お腹の赤ちゃんにも影響があるからです。
ですので、食事にはある程度の注意が必要となります。
妊娠中に意識したい栄養素
妊娠中は以下の栄養素を意識して摂取すると良いでしょう。
- 葉酸…細胞分裂を促し胎児の脳と神経の発育に重要な役割
- 亜鉛…胎児の骨や皮膚の発育や母体の免疫力向上に役立つ
- 鉄…妊娠中におこりがちな妊婦貧血を防ぐ
- カルシウム…骨の生成に役立ち、母体のカルシウム不足を補う
- ビタミン…母体・胎児の体の調子を整え、各種栄養素のサポートを行う
- DHA…胎児の脳の発達を高めやすくなる
サプリを活用しよう
特に葉酸は妊婦にとって必須の栄養素となっています。
厚労省でも1日に400μgの摂取を推奨しています。
ただ、非常にデリケートな栄養素ですから摂りにくいのも事実。
サプリなどを活用してしっかりと400μgを摂取したいものです。
その他の栄養素についても、バランスよく摂取しましょう。
足りないと思ったならば、サプリを適度に活用してみてください。
生魚を食べるリスク
妊婦で摂っておきたいDHAという栄養素。
これは魚の脂に多く含まれているものです。
なので、適度に摂取しておきたいのですが、生魚については注意が必要となります。
食中毒の危険性
妊娠中は免疫力が低下しているので、通常時よりも様々なリスクがあります。
そのため食事をする上で、生魚を食べることによって食中毒になるリスクも高まります。
食中毒で下痢や嘔吐になればそれに伴って子宮収縮がおこると流産・早産になってしまう可能性もあります。
加熱が原則、生なら新鮮なものを
妊娠中は投薬も制限されますし、妊婦としては、食中毒は絶対に避けたいですよね。
食べてはいけないわけではありませんが、魚は加熱を原則とし、どうしても食べたい場合はできる限り新鮮なものを食べるようにしましょう。
水銀のリスク
また、妊婦に生魚が勧められない理由の一つに「水銀」があります。
体長の大きな魚、つまり食物連鎖でも上位にくるお魚に多く含まれていることがほとんどです。
赤ちゃんにとって水銀は良くないもので、発達に関する障がいを得てしまう可能性があります。
たとえば、水銀を摂取しすぎることで、音への反応が遅れてしまう、という障がいが起こることも。
他にも神経や発達に関する障がいが起こる可能性があります。
赤ちゃんへの危険性
胎児の時に摂取した水銀は体外に排出することがうまくできません。
多少なりとも障がいが起こる可能性があるならば、生魚の摂取はなるべく控えるべきでしょう。
食べる量が制限される魚がある
全ての魚に水銀が含まれているというわけではありません。
マグロなど、大きな魚にやや多めに含まれていると考えられます。
食べる量に注意しましょう
また、妊娠中は一口も食べてはいけないかというとそういうわけでもありません。
大人の場合は水銀をある程度排出でき、少量であればマグロも食べられます。
魚の種類や食べる量に注意することがまずは大切です。
摂取量の目安について
量について具体的に例をあげていきます。
生魚80gを1回の摂取量とした場合、目安は以下の通りです。
- 週1回ならOKなもの・・・キンメダイ、ツチクジラ、メカジキ、キンメダイ、クロマグロ、メバチなど
- 週2回ならOKなもの・・・クロムツ、マカジキ、キダイ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカな
ど もちろんこれらのお魚も加熱調理した方が無難です。
お刺身やお寿司の場合、食中毒の可能性は捨て切れません。
どうしてもという場合は量を少なめにすることをオススメします。
その他、制限した方が良い魚介類
ちなみに、マグロでもツナ缶は特に問題ないとされています。
また、水銀の問題ではありませんが、ウナギはビタミンAが多く含まれているため、妊娠初期は少し注意した方がよいです。
貝類の摂取はノロウイルスになる可能性があります。
妊婦の時は免疫力が低いので気をつけたいですね。
妊娠中は貝類については加熱に関係なくなるべく控えるほうが良いと言えます。
妊娠中でも安心なオススメの魚
水銀の含有量が少ない魚ももちろんあります。
小さい魚などであれば、神経質になりすぎる必要はありません。
妊婦でも食べられるお魚
サケ、サバ、ブリ、カツオ、サンマ、イワシ、タイ、タラなどは妊娠中でも安心できます。
これらは基本的には食べても大丈夫です。
適度な摂取量を心がける
しかし、もちろん制限なく食べてもよいというわけではありません。
できるだけ加熱調理をするべきですし、食べ過ぎは良くありません。
お魚に限らず、どんな食材でも適度な摂取量を原則としましょう。
そして出来る限り加熱して食べるように意識してくださいね。
ベビハピ!的まとめ
魚は高たんぱく質で、血管障害の予防やアレルギー反応を抑制するDHAやEPAが多く含まれています。
またカルシウムも豊富ですから、妊娠中の栄養摂取には便利な食材といえます。
お腹の赤ちゃんのために生魚はなるべく我慢するのが原則。
ですが、量や調理法などを吟味すればそこまで神経質になりすぎる必要はありません。
お腹の赤ちゃんのことを考えて、ある程度は節制して食事を楽しみましょう。
妊娠中はバランス良く食べることが大切です。
食べてもよい魚もありますので、赤ちゃんに栄養を届けてあげましょうね。